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執筆者の写真Midori Nissato

[Suits woman]憧れの無痛分娩で出産したけど、結局痛かった話

※この記事は、小学館 Suits womanに掲載していた記事です。サイト閉鎖に伴い、許可をいただき転載しています。


結婚するまでは、仕事と趣味に没頭する日々で、彼氏こそ欲しいなと思ってはいましたが、結婚に関しては「世間的には、いつか結婚をした方が良いのかもしれない……」とぼんやり思うくらいで、ましてや出産に関しては「いつか私も出産するような日が来るのだろうか……」と、まるで遠い世界のことのように思っていました。

それゆえ知識も浅く、いざ出産するとなったら驚きの連続でした。

妊娠出産編では、自分の体の変化、周囲とのギャップ、仕事と出産の悩みなどを自身の体験を元にご紹介していきます。

もちろん妊娠出産に関しては、体の変化も人それぞれですし、考え方も様々なので、あくまでも私自身の一体験として読んでいただければと思います。


☆☆☆


2019年2月に都内の産院で出産しました。

結婚に対しても出産に対しても、「リゾートで純白のドレスに包まれて式を挙げたい」や「子供は絶対に2人欲しい!」というような、憧れやこだわりがほぼ無かった私ですが、彼氏が何年もいなかった独身時代からひとつだけ決めていたことがあります。

それは、“いつか出産することになったら、絶対に無痛分娩にする”ということでした。

(※今回の記事も、私個人の体験談を書いたものです。無痛分娩を検討している方は、無痛分娩を行っている病産院で詳しい説明を受けることをおすすめします。)


出産への恐怖とトラウマ

小学生の頃の記憶が鮮明に……。


私は人並み以上に、“出産の痛みへの恐怖”を持っていたように思います。

その恐怖を持つことになったそもそものきっかけは、小学生の頃に見たテレビ番組にありました。密着24時系のドキュメンタリー番組で、病院へ緊急搬送される妊婦さん。「痛い痛い」と泣き叫びながら出産し、大量の血と共に産声をあげる赤ちゃん。その姿が目に焼き付いてしまい、すっかりトラウマになってしまいました。それからというもの、赤ちゃんを連れている人がいると「赤ちゃん産むとき、痛かったですか?」と聞いてまわっていました。

「痛かったけど大丈夫よ」と優しいお母さんたちは、怯える小学生女子をたしなめてはくれましたが、どうにもこうにもテレビで見た出産シーンが頭から離れず、そのまま出産の痛みに対しての恐怖が定着したまま大人になりました。

大人になってからも、友人が出産するとこっそり「痛かった?」と聞いていました。

ある友人は「ブルドーザーに轢かれたらこんなかな?ってくらい痛かったけど、不思議なことに、もう1回産んでも良いって思ってるの」と言いました。私の頭ではとうてい理解できない、神秘的なことが起きているようだけれど、やっぱり痛いことには違いないらしい。

そんななか、仲良しの会社の同期が出産しました。

またいつものように大人げなく「痛かった?」とこっそり聞いてみると、「私、無痛分娩だったから、それほどでもなかったかも」という意外な返事が返ってきました。

「無痛分娩!?」

そこから私の無痛分娩への道がはじまったのでした……!


彼氏もいないけれど無痛分娩貯金を開始!

いつか来るかもしれない“出産”という未知の体験に備えて……。

結婚もしていなければ、彼氏もいない。彼氏をさがせる便利なアプリもまだ無かった頃。

“無痛分娩”の存在を知ってしまった私は、いつかするかもしれない(しないかもしれない)“出産”に向けて貯金を始めました。

当時残業時間が100時間を越えるような多忙な日々を送っていたため、数年で100万円が貯まりました。すぐさま普段使っていない口座に移しました。無痛分娩が具体的にいくらかかるかわからなかったのですが、とりあえずなんとかなりそうな、まとまった金額にしました。

「いつか無痛分娩をすることになったら使おう。出産しなかったらその時は何か自分の為になる別のことに使おう」そう思って、通帳とカードをそっとしまいました。


妊娠後も無痛分娩にする意思は固かった

無痛分娩で産んだ友人たち。


妊娠発覚後も、無痛分娩で産むという意思が変わらなかったことの最大の理由が、身近な友人2人が無痛分娩で出産していたことです。

無痛分娩での事故のニュースは私も目を通していましたし、どのようなリスクがあるのかは事前にある程度調べました。当然のことですが、「無痛分娩で無事に出産しました」という話がニュースになることは無く、事故や問題のみがニュースになっているので、読むたびに不安になりました。

身近に2人も無痛分娩で出産している友人がいなかったら、おそらく悩んだ末に悩んで普通分娩を選択していたと思います。

友人の1人は、2人の子供を無痛分娩で出産しており、もう1人の友人は1人目の子供は普通分娩、2人目は無痛分娩でした。経産婦だったこともあるとは思いますが、友人いわく「とにかく楽だった」とのこと。心理的な負担はもとより、体力的な負担もかなり軽減されたそう。

ちなみに2人とも同じ産院で出産していたので、迷うこと無くその産院に予約を取りました。担当医も同じ先生にしました。70年以上も歴史のある産院で、無痛分娩の経験も多い産院でした。

産院へ無痛分娩の希望を伝えると、まずは無痛分娩の講習会を受けることを勧められました。講習は夫婦でも参加できたので、私は夫婦で参加しました。無痛分娩とは何か?から始まり、リスクや事故がどのようにして起こるか、無痛分娩できないケースはどのような場合か、非常時はどのような対応がとられるのかなど、じっくり講習を受けました。

その講習を受けた上で、ようやく無痛分娩にするかどうかの申込が出来ました。

無痛分娩については、ネット上にも様々な情報がありますが、実際に無痛分娩をしている病院で説明を受けるのが一番だと思いますので、詳しい内容はここでは省略します。


無痛分娩できなくなるケース

ちなみに、出産前、私が一番不安だったのが、“無痛分娩できなくなってしまうケース”でした。

他にも様々なケースがあるそうなのですが、自分に起こりそうなこととして不安に思っていたのがこの3つです。

1)逆子がなおらない

2)麻酔が効かない体質

3)予定より早く陣痛が始まってしまうor土日祝日に産気づいてしまい、麻酔医の先生が不在

1の逆子はしばらくして元に戻ったので、臨月に入る頃には1の心配は無くなっていました。2は、これまで大きな手術は経験したことがありませんが、歯科治療では麻酔が普通に効いているので大丈夫だろうと思いました。残りは3です。

私が通っていた産院の無痛分娩までの流れは、診察で医師から“出産できそう”という判断が下されたのち、入院して陣痛促進剤を使用して計画分娩というものでした。

臨月になってからは毎週通院していたのですが、「まだ産まれそうにないですね」と言われるたびに、「次の診察までに突然産気づいたらどうしよう」と不安でした。

実際の無痛分娩の体験記は、後半のマンガに描きました。

タイトルでネタバレしている通り、“無痛分娩にしたはずが結局痛かった”というお話です。実際に体験してみて感じたメリット、デメリットも書き出してみました。





麻酔を入れてから12時間ほどは痛みがすっかり消えてしまい、「あ〜、無痛分娩にしてホントに良かった!」と思ってすっかりリラックスした状態で過ごしていました。

が……その後、どんどん痛みは増し、「効かなくても良いんで麻酔うってください!ちょっとでも良いです!」と懇願し、麻酔を入れてもらいました。

結局分娩中は「イタイイタイイタイ〜!」と叫びながら出産することになりました。痛みと戦いながら、いきんでいる最中に聞いた説明によると、物理的な痛みには効かないこともあるそうな……(不確かな記憶ですみません)。

結局、私の場合痛かった無痛分娩ですが、それでも自然分娩の友人の話を聞くと“全然余裕なレベル”だったようです。ちなみに同じ病院で産んだ友人は、ほとんど痛くなかったそうです。


最後に、無痛分娩で産んでみてのメリットでメリットをまとめました。


<メリット>

・痛みやお産に対しての恐怖心や心理的ストレスが軽減される。 ・お産にかかる時間が比較的短いと言われている。 ・産後の回復も早いと言われている ・夫や家族が立ち会う場合、計画分娩だと産まれる時間が事前にだいたいわかる。


<デメリット>

・お金がよけいにかかる。 ・無痛分娩でも痛みを感じる場合がある。(※無痛という言葉が使われるが、実際は痛みを和らげる和痛という解釈が近い) ・無痛分娩で予約していても、お腹の状態によって自然分娩や帝王切開になる場合もある。 ・無痛分娩をやっている病院がまだ多くないので、近くに無い場合は通院が負担になる。(私も妊娠中に引っ越しをしたので、転居後は病院まで片道1時間かかって通っていました)

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