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[Suits woman]“頑張らないサスティナブル”のススメ

※この記事は、小学館 Suits womanに掲載していた記事です。サイト閉鎖に伴い、許可をいただき転載しています。

※2020年11月当時の記事です。


2015年に国連で開かれたサミットの中で「SDGs(Sustinable Development Goals)」が定められ、社会問題や環境問題への取り組みが注目されていますね。

“世界規模の問題”となると、自分にはとうてい何も出来ないこと、自分とは遠い場所で起きていることのようにも聞こえます。

私自身も妊娠出産を期に「環境の為に何かしたい!」と思いつつも、それまでの暮らしをいきなり変えることは出来ませんでした。

それでも、日常生活の中で自分の気になっていることや興味のあることから、“頑張らずに”取り組めることを始めてみました。

そんな私自身の体験を今回は紹介していきたいと思います。 まずは、そのいきさつから……。


いきさつ その1:妊娠発覚

突如変わった、食に対する意識


2年前の夏、妊娠が発覚するとともに、食べ物への見方が大きく変わりました。

それまでは、食に関して気にすることと言えば「美味しいか?美味しくないか?」「太るかな?太らないかな?」くらいのものでした。

それが、突如「お腹の子どもに良いものかな?悪くないかな?」という見方に変わったのです。

添加物は入っていない方が良い?そもそも添加物って何? 野菜は産地やオーガニックにもこだわるべき?

スーパーの食品売り場を前に、私の頭は混乱してしまいました。

食品を選ぶこと、食べることがストレスになりそうな気がした瞬間、「でもハンバーガーも食べたい!」と心の声が。

何が入っているのか、どこから来たのか、食について学ぶことは大事だけれど、いきなり完璧を求めるのは今の自分には無理がある。

加工食品に入っているものは、わからないものもあるけれど、何が入っているのかは確認する。好きだった物をいきなり悪者に仕立て上げない。

そのくらいのゆるさで、“頑張らない”でも続けていけることから、まずは初めてみようと思いました。


いきさつ その2:産後

私の知らないところで絶滅していった動物を想像して泣く……。


産後、ホルモンバランスの乱れなのか、一時的に「生きとし生けるものはみんなチャンチャン(子どものあだ名)」状態になりました。

自分がまるで母なる地球にでもなったかのように、地球上に生きるものすべてに優しくありたいと思いはじめ、また自分の死後、子どもが老後を迎えた頃の地球を心配しはじめました。

そんな極端な心境だった時期を過ぎても、「地球の為にちょっと良いことしたい」という気持ちは残りました。

たとえそれが「私は良いことしている」という自己満足だったとしても、わずかでも環境や社会の為に貢献出来るなら、まずはやってみようと思いました。


使い捨てじゃないものを少しずつ増やしてみた

環境に優しい&カワイイ!最高!


実は、エコバッグと水筒は、日本でここまで浸透する少し前から使っていました。

なぜなら、海外のお土産でもらったエコバックのデザインを気に入ってしまい、とにかくそれを使いたかったから! 水筒は、お腹がカフェインに弱いので、自分で作ったお茶を持ち歩きたい&節約のためでした。

産後、サスティナブルムードになってから購入した代表的なものは、ミツロウラップです。

毎日ラップを使い捨てていることに罪悪感を抱いていた時に、たまたまテレビ番組で知り、購入しました。その後1年くらい使用していて、かなりくたびれた感じになったのですが、オーブン用のクッキングペーパーに挟んでアイロンをかけたら80%くらいは回復しました。

ミツロウラップを自分で作る用のミツロウも売っているそうなので、次回はそのミツロウを足してメンテナンスに挑戦しようと思っています。

ちなみに、完全にラップすべてをミツロウラップにしたわけではなく、どうしてもという時用に普通のラップも持っています。

ティッシュペーパーも気になっているのですが、子どもが小さいことと、私自身花粉症ということもあり、いきなりお別れすることも出来ず悩ましいところです。

汚れはぞうきんや布巾を使う回数を増やそうと挑戦中です。鼻をかむときも軽い時は、往年のハリウッド映画のようにハンカチでかむようになったら、鼻に優しくて良い感じでした。


着ていない洋服どうする問題

なぜいつもクローゼットが満杯なのか……?


とにかく服が好きで、ついつい買ってしまいます。

それなのに、服がどんどん増えていくことに罪悪感を感じ、また服を処分することにも罪悪感がありました。

「この服3年着ていないけど、結構高かったんだよなぁ」「思い出のある服だから、着てないけど捨てるのは気が引ける」そんな服、きっとみなさんもありますよね。

フリマアプリで売ったこともありますが、思い入れのある服であればあるほど、値引きされることに心が痛んだり……。でも、本当は高く売りたいんじゃなくて、必要としている誰かに使ってもらえれば良いと思っている矛盾と葛藤。


モヤモヤした気持ちのまま、まとめて服を買い取ってくれるサービスを探していたところ、たまたま古着をワクチンに替えるチャリティーを発見しました。

チャリティーなら、手放すことへの罪悪感も売ることへの罪悪感も無い。これだ!と思って、今までモヤモヤしていた服たちをきれいに畳んで送りました。

ブラトップや靴下、ダメージのひどいものなど、対象外だったものは、H&Mの店頭の回収BOXに持って行きました。

H&M

こちらは資源として使われるそう。


クローゼットの中がスッキリして、その後「欲しい」と思った服も本当に必要なのか、以前よりも悩むようになりました。

そんなこんなで、気がつけば自然と“頑張らない”サスティナビリティが生活の中に浸透していきました。

そして“物を大事にする人”に憧れるようになりました。

今までも自分でお直しはしていたのですが、“壊れたところを隠す”というネガティブなお直しでした。

そんな中、金継ぎとダーニングという、“修復に新しい魅力を足すお直し”に出会ってしまい……?

後半の漫画は、そんな“お直し”について描きました。




美大出身で、趣味は手芸で、たまにアートイベントに出展する立体作品も制作している身からすると、“物を作りたいけど、作った物をどこに収納するのか問題”には、長年頭を悩ませてきました。


そんな中、お直しに出会い、すっかり魅了されてしまいました。

環境問題に配慮するぞ!サスティナブルな暮らしを実践!というよりも、ごくごく自然に自分の暮らしの中に、入ってきた感じです。

「環境の為に何かしたい!」と思った時に、それまでの暮らしをいきなり1から10まで変えてしまうのではなく、自分の興味のあるところからはじめるのが自分には合っていると思いました。


自分の好きなこと、やりたいこと、楽しいことは、無理をしてはじめたことよりも長く続けることが出来ます。

この先も無理無く長く続けられることこそが、サスティナブルだと思うのです。

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